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濃厚とろみ豚骨醤油
和歌山は愛知から二つ隣だが訪れたことは今のところ一度だけだ。今から20年以上前に那智の滝と橋杭岩を見に行った。当時は神奈川に住んでいて、クルマで高速を使わずひたすら一般道を走って和歌山をめざした。距離にして約600キロ。遠かった。長かった。和歌山では寿司を食べたり梅干しを買ったりしたけどラーメンは食べなかった。まだ今ほど有名じゃなかったと思う。だから偏見だけど、和歌山ラーメンと聞いてもへーって感じに聞き流してきた。凄麺ご当地シリーズに出逢ったことで、あらためて和歌山ラーメンと向き合う機会を得た。フタを開けると小袋が3つ。かやくと粉末スープと液体スープだ。典型的な濃厚スープのパターンだ。かやくを入れ熱湯を注いで4分待つ。ダブルスープをインすれば出来上がりだ。混ぜ混ぜすると一気にとろみが出る。具材の焼豚とナルトが見栄えを演出する。いざ実食。凄麺の美味しさは承知している。スープをいただくとしよう。ズズズ… 美味しーーーい!なんなんだこれは!豚骨醤油の中でもトップレベルの美味しさだ。濃厚で味わい深い。内臓に浸みわたる。脳に響きわたる。和歌山ラーメンには豚骨メインと醤油メインの二派があると聞くが、このラーメンは前者だろうか。あぁ…自分はまだ未熟だ。日本にはこんなに美味しいラーメンがある。ニンニクや魚粉に頼らないラーメンもある。味噌だの豚骨だのこだわらず、様々なご当地ラーメンを堪能すべきだと思った。ありがとう和歌山。ありがとう凄麺。