【中評価】「カバヤの精進」 「メソポタミア」さんの「カバヤ　紀州うめプレッツェル」についてのクチコミ・評価

カバヤの精進
うめ味を見かける頃には冬も終わりである。
卒業とか移動とか引越とか、そんな折に必ずうめ味を食べていて、何となく気ぜわしくなる。

しかしプレッツェルのうめ味は初めて見た。毎年出ていたようだが、出会わなかったのだろう。

味は、まあこうなるよな、という味。
殊更プレッツェル用の味付けをしましたという感じもなく、良くも悪くも無難。
プレッツェルにピンクのうめ層が入っているだけに香りだけは大変良かった。

食べながらずっと物足りなさを感じていたのだが、ふと、ダシ感が弱いのだなと気付いた。
材料を見たところダシ的なものは昆布のみで、鰹を使っていない。
つまりこれは動物性タンパクを一切使わない精進料理の味だったのだ。

昆布のみというのは、ある意味とてもストイックで難しい味付であり、うめそのものの味を最大限に引き出せるやり方でもある。
お菓子でそれをやるなんて。
気付いた途端、カバヤすげぇ…と思わずにはいられなかった。

好みが割れるのがよく分かったが、私はカバヤの志の高さを汲んで、もう一回食べてみようと思う。