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うん。おばあちゃんだ。
おばあちゃんの優しい味がする。
これより弱ければ物足りなさそうな甘さ。あと少し足されたら、キツくなりそうなしょっぱさ。必要最低限の砂糖と、風味が生きる醤油の絶妙なさじ加減は、作り慣れたおばあちゃんだからこそ成せる業。
よく噛めばあごが鍛えられる。脳も元気になる。カリカリの噛みごたえは、おばあちゃんの思いやり。
いつもはできるだけ消されてしまう、うの花の存在。でも、おばあちゃんはのけ者になんかしない。 臭いとか食感が悪いとかじゃなく、その持ち味が生かされてるの。たまにふわっとうの花の素朴さ。もちろん、全然嫌なものじゃない。